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晩鐘

日暮れ 2007年10月27日(土)

                         追:2008年春の奇想(3月15日)
 


ヒヨドリが残照を惜しんで木の実をついばむ



帰るときがきた もう帰るときなのだ



あとすこしだけ まだ間に合うは


  ひよどりと遊びながら 流れる調べに目を開けば

  叫びの画が浮かんでいた

  弾いておる人がまるでその姿形であった

  ピアノソロはすこしばかしゆったりとした

  指使いにこそ曲に相応しい

  おわりを動ずることなく見据えたひとの愛しみであった

  作曲家のさけびが近くに遠くにやさしくつきぬけた

         *内田光子さんの調べに寄る #30、31、32  
 

                                    
                 
                  春の奇想

            あなたはゆえなく落ちた深淵で

              とおい悲しさのなかに目を覚ます

              脱け出そうともかなわぬいのちの笑いに

              乾いた涙をしまう
  
              なぜ歌う だれが聞いてくれると言うのか

              ただ いのち ああこの意識 この覚え

              ただあるいのち どうしょうもないこのいのち

              このいのちが あなたを生きるものとして覚えさす

              ああ 受け入れたことなどこれっぽちもありはしない

              でも いのちは あなたに告げる

              あなたがうたうとき かわいたなみだがほほえむと  



      #31 作品110(ベートーヴェン)に寄せて 2008年3月15日(土)曙



 


日が落ちる またあすがくるわ だれにでも あたらしい一日が

二度とあえぬ一日が

 
かれも一つの命だ あのひとの命だって 無

いまは静かに だれでもがしずかに そうねがう

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