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ベートーヴェンの遺言
           
                       2008年12月29日(月)


歩むだけだった

 いつのころから道にあったのか
  
迷い 逡巡 絆が 馴れ馴れしく遠巻きしている

しかもあいつの手はいつも控えている

あの哄笑 憫笑 蔑みは 一時も離れぬ

見張りをいつも欠かさぬのだ

あたしは逃げはしない

歩みださなければならない


いくどの悲しみ 挫折 絶望があったことか

それらすべてを聞き すべてを受け入れた

この思いにあるとき それらはみな黙ってしまう

いくときだ 命の声が聞こえぬのか

困難 

それは怯懦が造り上げた常識だ

一歩が足りぬだけだ


ああ 疲れが足をとめる なんといういたみだ

ああ もう息がきれたのか なんというよわさだ

あの憫笑にとらわれたのか 


足の向こうをじーっと見つめすかしたままにあった
                        
乾いた静寂が 乾いた涙に寄り添っていた

やわらかな陽ざしがひとを抱きしめる

いきものが いつもの嬉々とした声にあった

いのちが生きていた 

この調べにはあらず

ここから足をあげるのだ
                       
この調べにはあらず 足をあげるときだ


メフイストフエレスの哄笑は先刻承知だ

死はすでに生と同化した

進むのみ




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