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秋の空に秋の雲秋晴れの一日でした。空の雲も秋に衣替えしています。夏の猛々しい雲は去り、ともすれば散りじりに消え行くようです。心穏やかになります。

でも片方にはふっとためらいがちな雲の姿がありました。

 軒晴れて
  風の冴ゆれば
   貧しさも
 忘れてうごく
  わがうからどち


       牧水
太古の声がとどろいていました。 北斎の好きな構図です。
繊細な秋の雲です。
 清楚な秋の雲たちです。少しも無理をせず、伸び伸びと思いを澄んだ空に描きます。

 
 秋晴れや
  空にはたえず
   遠白き
    雲の生まれて
     風ある日なり

         牧水
平凡な雲の流れもあります。
 平凡な身の上を描く雲が、黙々と人へ同情の眼差しを、
優しく投げかけます。


  わが胸に
    旅のをとこの
      情なしの
        こころやどりて
          そそのかすらく

               牧水
人工衛星よりみた風景・・?
 人工衛星よりみた風景です。そういった感じの秋の空でした。
もう一つの窓から覗いた宇宙空間です。



わがこころ
 碧玉となり
  日の下に
曇りも帯びず
 嘆く時あり

   牧水
色のない空から覗く気配がします
 じーっとみつめていますと、雲が不思議な形に見えてきました。ひとを威嚇するのか、憐れむのか、どちらとも言えません。
北斎が漫画にすると一体どんな構図をもってくるのだろうかと、思ってもみました。



 死にゆきし
   ひとのゑがける
     海の繪の
  青き繪具に
    夏のひかれる

        牧水
見上げるとすっきりとする雲の流しでした。 
 再び、青い空は全てを包み込み清々しい雲の息吹を流して、白い姿を切れ切れに細長く見せてくれました。

秋風や
 日本の国の
 
(やまと)
  稲の穂の
酒のあぢはひ 
日にまさり來れ

    牧水
平凡と非凡をみせながら季節が盛りを謳います。 
  やがて、平凡と非凡は重なり合いながら、
 姿を薄めて一つの本へともどります。
 おーい お前は帰ったのかあと、誰かが問い
 かけていました。


 窓ひらけばぱっと片頬に日があたる
   なつかしいかな秋もなかばなり


 あきらかに秋は潮し來ぬ
                (さしきぬ)
  にごりたる われのいのちの血の新たなり


                  牧水
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秋の空 2004年10月15日(金)